今年に入り、文豪といわれる人たち、カフカ、ドストエフスキー、カミュ、ヘミングウェー、フィッツジェラルド、チャンドラー等の作品を読むようになった。
きっかけは、村上春樹氏の作品を手にして、文学の世界を知ったこと。
もともと「心を動かす」物語、なんで物語というのは、昔から人の心をとらえてきたのか?そして、そういった話というのは、どういった構造になっているのだろうか?
ということが気になって、スターウォーズ、ロード・オブ・ザ・リングの映画をよく見たり、その物語の構造のベースとなった、ジョセフキャンベルの本を調べた事がある。いずれも、どう試練に立ち向かうのか?そこでどのような成長があったのか?最終的に人間はどのように変化するのか?が描かれてた。
やがて、構造よりも、文学作品それ自体の魅力は何なんだろうか?に関心が移る。
現在、村上春樹氏を初めとする、いくつかの文作作品に触れているが、もっとも印象的だったのは、
ドストエフスキーの「罪と罰」。
元大学生ラスコーリニコフが、「一つの小さな罪悪は百の善行に償われる」「選ばれた非凡人は、新たな世の中の成長のためなら、社会道徳を踏み外す権利を持つ」という独自の犯罪理論をもとに、金貸しの強欲で、人間的に価値のない老婆を殺害する。
そのから、話は進むのだが、宗教観の対立、人間の感情の起伏の変化、また宗教が頼りにならない世の中に対してどう生きて行ったらいいのか?や深層心理など、さながら刑事コロンボのドラマを見ているような面白さで読むことができた。
やはり、人間の成長を描くような文学作品が一番面白い。つまり、逆境に追い込まれたときに、主人公が、どう試練立ち向かっていくのか?それがうまく、人間の心理とともに描かれていれば、個人的にすごくいい作品なのではないかと感じる。
これからも、いろいろな文学の世界に触れて、心の動かされるような作品に触れていきたい。
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